JP年賀状はもう出さない by Chiyokoまたいとこのブログ (今月は不規則に発信)Blog de deux cousines, Chiyoko et TomokoMataitokos' blog (Cousins' Blog) is published irregularly this month. 第 2 章2021 疫病は続く  4月の放談



年賀状はもう出さない

私の母と同年配のSさんが定年を迎えられたときに、さらっと「これからは年賀状を出すのはやめるの。静かに暮らしたいから」とおっしゃったのを聞いて、まだ不惑前だった私は結構驚いた記憶がある。もう30年以上前のことだ。Sさんは「人生楽しまなきゃ」といいつつ、それまでの非正規雇用の仕事が雇止めになりかけていた私をずいぶんと応援してくださった。房総半島の彼女の別荘に当時同僚だったMさんともども子連れで招かれ、子供たちが寝静まってから私たちはSさんからフラダンスのレッスンを受けた。教わったフラダンスをその後雇止めになった職場の送別会で踊ったのは、私だけでなく、周りの人々にも驚きだっただろうな。

 以来幾星霜、近年お正月にいただく年賀状に、「年賀状は今年をもって終了します。」という趣旨の一文があるものが目に付きだした。「これ、サビシイ」という思いと共にかつてSさんが同じことをおっしゃったことが思い出されたものだ。そして、2020年のコロナ禍を経て2021年の年賀状の準備の時期が来た。10年くらい前からは、年賀状のあて名書きは筆ぐるめ、とか筆まめという名のソフトを導入し、これにお任せしている。ソフトは便利で、手書きでは数日を要したあて名書き作業はものの30分かそこらで終わってしまう。その結果、年賀状はとても形式的で人間味の薄いものになってしまった。これでは、年に一回だけの年賀状交換の意味って何だろうと気になりだし、30年以上も昔のSさんの「これからは年賀状を出すのはやめるの。静かに暮らしたいから」という言葉が私のことばになりだした。実際には、例年どおりの形式的な年賀状を準備して、走り書きの近況1行を添えて発送したのだけれども、どこか私自身が釈然としないままの越年となった。

 そして20213月になって、ふとひらめいた。そうだ、今年からは、年末年始の年賀状をまとめて出すのはやめよう。その代り、一日1枚はがきに近況を認めて、毎日誰かにお便りを出すことにしよう。毎日1枚、3か月で90枚、4か月で120枚くらいのお便りが書けるはずだ。私が子供だった頃、電話もなくて、祖母がたびたびはがきで近況を知らせてくれて、そのはがきを母は折り紙でまとめ、土瓶敷を作っていた。祖母は私たちに近況を知らせるということだけでなく、そのはがきを投函するために郵便ポストまで500メートルくらい歩いていた。あれはきっと自分の運動のためだったのだろう。これを見習えばよい。メールもいいけど、はがき一枚のお便りを認めるというのは、古希過ぎ後期高齢者直前の私には、結構よいトレーニングとなりそうだ。

 というわけで、4月に入ってからここ数日、毎日誰かにお便りを認め、毎日投函している。三日坊主の私だが、この脳トレ筋トレプログラムは、どれくらいの期間続けることができるだろうか。それと、出したお便りに対する反応をいただくことができるだろうか。

(20210407 chiyoko)

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