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【 JP/EN 】 阿部一族 The Abe Clan (3/8) J a panese/English weekly  Bilingual   Version by Nikhil/Tomoko   ( English Version below) 初めに日本語版、スクロールダウンして英語版が続きます 。 Mataitokos' blog (Cousins' Blog) is published every Sunday .  Cousins' Blog   またいとこのブログ (日曜発信)   第 1 章 2020 疫病の年 11月の放談    Chapter 1: 2020 Year of  the Epidemy /  November  Talk  阿部一族  The Abe Clan      (3/8)     by  森鴎外  Ogai MORI(1862-1922)   二キル・ライ / ブヴィエ・友子による日英抄訳   English excerpted translation by Nikhil Ray/Tomoko      2020.11.22  Tomoko 前書き : 【文学と人生】 ポルトガル人のルシアが癌になった。まだ42歳の若さである。毎週土曜日に家事手伝いに来てくれていたのに、突然来られなくなった。縫い物や手芸が好きだというので、自宅に戻っては、着物をたくさん解いて貰った。家事専門でなく、縫い物もできれば彼女の生業にもなると思って、ミシンの使い方など、教えてあげようとしたが、 フランス語がたどたどしいルシアとはなかなかコミュニケーションができない。それにとても頑固で、ちょっと込み入ったことは、絶対やってくれない。でも、夫も私も彼女が大好きで、ほんとにしっくりいっている。 普通に元気にしていた彼女が、ある日、「マダム、ここにしこりがあるの」と、私の手を引っ張って左肩と脇の間位のところを私に触らせた。大きなしこりが、触ってすぐ感じられた。腕を上げるのが辛いという。そして次の週の金曜日に、翌日は病気のため仕事を休む、と言いに来た。 それから三週間たっている。医者をたらいまわしにされた末、今、アヌシ―の病院で化学療法、放射線療法を受けているらしい。ご主人に聞いても、彼もフランス語が達者ではないので、一体、体のどこに
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【JP】 日本学術会議問題    by Chiyoko   またいとこのブログ ( 日曜日ごとに発信  11月12月は特別にTomoko, Nikhil による文学の日英バイリンガル版も発信 ) 第 1 章 2020 疫病の年  11月の放談   日本学術会議問題 2020.11.15 by Chiyoko    ■学術会議問題:105-6=99という政治的「削減」? 10月、日本学術会議のメンバー任命に総理大臣が横やりを入れたために、ようやく開かれた菅総理大臣の最初の国会ではこのことがもっぱらの話題であった。10月30日夜TBSニュース番組で片山善博氏が「補助金を少し削るようなつもりで106人から99人にしたのだろう」「政治の権限をふりまわしたために、こんなに大騒ぎになってしまった」「こんなことになるとは思わなかったんでしょうね」「想像力が足りない」などと舌鋒鋭く評していた。 ■片山善博氏 北海道に通勤していたころに、勤務先の講演会で一度だけ、直接講演を拝聴したことがある。その時のお話では、氏の県知事時代、部下の説明を聞き、何やら質問した。そのとき、説明者の視線がふと泳いだのに気付いた氏はこれを見逃さず、説明内容にちょっとした瑕疵を見出した、というエピソードがあったと記憶する。主題は忘れたが、説明者の視線が宙を泳ぐ一瞬をとらえ突っ込む、という息をのむようなやりとりのお話には感服させられた。氏は、現在混乱中の菅政権学術会議問題について「説明できないものがある」と言った総理大臣の視線が宙を泳ぐさまをきっと見ておられたのではないか。 テレビで見えた氏は不合理への鋭い感性と、その不合理をあらわにした当事者たる総理大臣の人物像をどこか面白がっているようにすら見える度量の人と見えた。憲法15条を持ち出し総理側が学術会議会員の任命権を行使できるという総理の説明は、15条全体としては不成立であることは自明(だから、不勉強な側近に騙されたかな)という解説は、実に説得力に富んでいた。番組では総理大臣の肩を持つ役割らしいキャスター石塚が「学術会議は学者の集団で、右でも左でも学問の自由というとすぐにまとまってしまうから、始末が悪い」と発言し、結果として番組の品格を下げたようで、残念な印象。 ■1959学術会議「公文書散逸防止」勧告は日本の公文書館設置の礎 ところで、日本の公文書館設置の礎