JPオンライン終業式に思う  by Chiyoko またいとこのブログ(日曜日ごとに発信)第1章 2020疫病の年 7月の放談



オンライン終業式に思う

2020.07.24 by Chiyoko   


■夏休み始まる
720日、小学校の終業式が季節の話題としてテレビに映し出されていました。例年なら40日の夏休み始まる、などといった話題で描き出される終業式と夏休みですが、今年はコロナのためにすっかり様変わりです。というのも、3月はじめから5月末までは、コロナ感染対策で学校はどこも休校したので、夏休みは短縮になってしまったとのことでした。夏休みは長くても20日ちょっと、短ければ10日くらいで、普通ならゆっくりするはずの夏の暑い時期も、今年は学校に戻って、コロナ休みで遅れた学習を取り戻さなければならないそうです。生来学校の「統制」が苦手な私は、あてにしていたであろう40日の長い夏休みを取り上げられてしまった子供たちがかわいそうでなりません。
 
■オンライン授業、オンライン終業式
個人的にかかわりのある大学の授業に関していえば、5月ごろからオンラインで授業が始まりました。これは、YouTubeとか、パワーポイントとか、zoomとか、様々な技術に頼っています。授業のあり方が、これまでの教室で対面して、という形式から教員の創意工夫でいかようにも広がりを見せているのだろうと思います。私も、パワーポイントに音声を付けたファイルを準備して、一度だけオンライン授業に臨みましたが、学生さんから、「画面から先生の声がでてきた!」と驚いたような感想が出てきて、こちらもびっくりしました。では、小中学生はどうだったのでしょうか?テレビニュースによれば小中学校では夏休みを短縮しているという報道がありました。登校した子供たちは教室でオンライン終業式に臨んでいました。教室の画面を通して校長先生がお話をして、その後教室で「君が代」を歌うシーンを見ました。ここで、私の関心はオンライン終業式という今どきの終業式のありようから国歌「君が代」に動きました。
 
■私が気になる論理的矛盾の事例
私は、歌の歌詞や、おとぎ話のセリフに論理的な矛盾を感じると、そのことがいつまでも気になります。例えば浦島太郎の童謡。「むかしむかし うらしまは 助けた亀に連れられて 竜宮城に来てみれば 絵にも描けないうつくしさ」。絵本で何度も読み、竜宮城の絵は、今でも脳裏に浮かびます。でも、その美しさは絵に描けないというのはヘン。もう一例、おとぎ話「猿カニ合戦」では、カニがカキの種を蒔いて水やりをしながら「早く芽を出せ柿の種、出さぬとはさみでちょん切るぞ」と発芽を促します。でも、まだ芽が出ないカキの種、はさみでちょん切ることはできない、それに、もしせっかく出した芽をちょん切ったらダメでしょ、カニさん、間違っている、と感じました。こんな矛盾だらけのお話の中で育つと、矛盾に対する感性が鈍くなるのではないだろうか。
 
■君が代 歌詞の矛盾 
で、君が代です。君が代の歌詞で「さざれいしの いわほとなりて」(細石の巌となりて)のくだりは、ヘンだと思います。大きな岩は雨風にさらされ、小さく割れて崩れて、いずれは砂粒になる、そんなことを小学校の理科で習いました。この知識を土台に考えると、「さざれいしの いわほとなりて」つまり、小さい石がいつの日か大きな岩に成長するという意味のこの歌詞は、理科の知識に反します。岩石の生成のことを考えると、砂や小石がいつの間にか大きく変形することは、もちろんあり得ないことではなく、例えば火山噴火とか地殻変動とかの天変地異があれば、そのために堆積岩が形成されることもありそうです。
 
■科学を超える日本の非科学的対応
しかし、君が代ってそこまで含んだ時間軸を意味する歌詞だろうか、と考えてしまいます。さざれ石の巌となりて、が実現するような地殻変動天変地異があったら、そこに暮らす我国のみならず地球上の人間社会は大きな影響を受けるでしょう。日本国の安泰な政権(=君が代)の維持どころではなさそうです。そんなわけで、君が代を聞くたび、歌うたび、そこに非科学的イメージが刷り込まれるように感じます。21世紀の今、そのような非科学的イメージを国歌として国民に反復刷り込むようなにする仕組みは、なにやら科学を蔑ろにする傾向を是認していいという思い込みを人々の心の中に植え付けたいのかな。コロナ感染者集の統計発表では、調査対象数を出さず感染者数のみを公表する日本政府の非科学的対応にもつながると思います。


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【参考資料】国歌「君が代」について (防衛省HP「国歌「君が代」について」から抜粋)。
https://www.mod.go.jp/msdf/tokyoband/gallery/download/kimigayo.html2020-07-21確認)
 
(きみ)()  千代(ちよ)()()()  さざれ(いし)
(いわほ)となりて  (こけ)のむすまで
 
明治26年8月12日の官報第337号に載った「祝日大祭日歌詞竝樂譜」の文部省告示は、次のとおりです。
 
文部省告示第三號
小學校ニ於テ祝日大祭日ノ儀式ヲ行フノ際唱歌用ニ供スル歌
詞竝樂譜
別册ノ通撰定ス
明治二十六年八月十二日        文部大臣井上毅

別冊には、「君が代」「勅語奉答」「一月一日」「元始祭」「紀元節」「かんなめ祭」「天長節」「にいなめ祭」の八曲が、楽譜付で載っています。解説には、「國歌君が代」と記述されていることからも、「君が代」は国歌として位置付けられていたことが確認できます。調子は、「大日本禮式」より一音高いハ調でした。 
                                                                          君が代の楽譜(防衛省ホームページ 


「国旗国歌法」の制定
前述のことから「君が代」は国歌として長らく演奏されてきましたが、法的に根拠がないということで、平成11(1999)年8月9日、「国旗及び国歌に関する法律」(国旗国歌法)が国会で成立、13日に公布(号外第156号)し、次のように即日施行されました。
 
国旗及び国歌に関する法律をここに公布する。
      
平成十一年八月十三日
内閣総理大臣  小渕  恵三
法律第百二十七号
国旗及び国歌に関する法律
(国旗)
第一条  国旗は、日章旗とする。
  日章旗の制式は、別記第一のとおりとする。
(国歌)
第二条  国歌は、君が代とする。
  君が代の歌詞及び楽曲は、別記第二のとおりとする。
(以下「略」)
                               
20200724 Chiyoko 以上

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